空の君に手をのばして







病院の前まで来ると、丁度春馬が出てくるところだった。









「春馬!」






何だか沈んでる春馬に声をかける。










春馬は力なく私の方に振り向いた。










「颯斗のお見舞い、もう行ったの?」






この沈みようからして、私と同じこと言われたのかな。










「優杏ちゃんどうしてここに……」










春馬の力ない声で確信した。






やっぱり私と同じことを言われたんだ。









「春馬が心配になって。やっぱり辛いよね、親友に酷いこと言われたら」









私がそう言うと、春馬は顔を伏せた。







そんなに辛かったのだろうか。































「俺、颯斗と話してないんだ」