翌日の昼休み。
桃花と春馬に昨日の颯斗のことを話した。
あの後、どうやって家に帰ったのか覚えてないし、何時に寝て今日の朝何時に起きたのかも、どうやって学校に来たのかも覚えてない。
それだけショックだったってことなのかな。
「え。じゃあ、颯斗くんはもう私たちのこと思い出さないってこと?」
「多分……」
一昨日。
颯斗が記憶を忘れたのは一時的なもので、昨日私にあんなことを言ったのは病気の進行によるものだとお医者さんが言ってた。
ということは、もう私たちのことは思い出してくれないのかな……。
「ごめん、優杏ちゃん。俺が代わりに行ってくれって言ったから辛い目にあったよね。俺が行ってたら、優杏ちゃんはそんなに傷つかなくてすんだのに」
「ううん。春馬は何も悪くないよ」
私に手を合わせて謝ってくる春馬を、私は制した。

