絶対、好きになれない。

何分、何時間経ったのだろう。
ずっと東雲先輩の顔を見つめてた気がする。

キスする前までは
コロコロと表情が変わってた先輩も
なんだか、ずっと口角があがったままで
余裕な心持ちの様子。

わたしといえば、
キスの雨に降られてぼーっとしてしまってる。
キスって魔法みたい。
先輩は魔法使いだからかも。

東雲先輩がすきって、たくさんわかる。
それから、彼がわたしを好きっていうのも
たくさん伝わってくる。

いまは、ぼーっと花火のフィナーレを
手を繋いだまま見ている。

「最高の夏だ。」

『はじめての、夏です。』

「来年はふたりで来ような?」

はい、と言いかけて「うん」と返事すると
嬉しそうに無邪気に笑う東雲先輩。

「そろそろ、愛花っちたちのとこに戻るか。」

携帯をパッと手に持つと
獅童先輩と場所の確認をしてから
落ち合うことにしたみたい。

「行こっか。」

手を差し出されて、改めて気づく。
彼氏と彼女。
恋人同士っていう特別な存在になれたって。

東雲先輩が大事にしてくれたから
できあがった、わたしたちのかたち。