絶対、好きになれない。

「あ、あれって東雲先輩じゃない?」

少し離れた屋台のところで人が群がってる。
あの金髪で長身、うん、東雲先輩だ。
獅童先輩いるかなー、と嬉しそうに
愛花ちゃんは突進していく。

わたしはゆっくり叶くんと歩く。
なんか、手は繋がれたままだし。

「東雲先ぱーーー」

あと少しのところで愛花ちゃんが
声をかけようとした瞬間だった。

「もうっ、楓ったら。」

色っぽい女の人の声と東雲先輩の声が混じる。
目線の先には女の人の腕が
先輩の首に巻きついてる状態。

「やめろよ。」

少し不機嫌そうに顔をそらす、
その視線の先に
わたしはバッチリ居た。

そして、その視線はわたしたちの
繋がれた手に降りる。

東雲先輩の顔が歪んだ気がした。

「愛花っち。」

目の前にいた愛花ちゃんにニコリと微笑む。

「百合ちゃんも、来てたんだ。ふたりとも、かわいいね、浴衣。」

いつものニコニコしてる先輩。

かあ、とわたしの温度があがる。
すっと叶くんの手を離れる。

ああ、そうなんだーーー