今日から部活初日!
ドキドキしすぎて心臓が口から出ちゃうよ!
あ。キャプテン!
にしてもウチのキャプテン、かなりの美少女だって言うことは、間違いない。
「はーい!新入生!集合!」
「はーい!」
新入生一同、元気に返事をする。
新入生が尊敬の眼差しでキャプテンを見つめる中、キャプテンは笑顔で口を開いた。
「おー!たくさん集まってくれたね!本川!話は聞いてるから!一発どう?」
キャプテンは本川くんにちらっと視線を送る。 …え?なになに、本川くんって、もしかして…。私がそわそわしているのを見て、フッと笑った本川くんは、「はい!ぜひ!失礼します!」といつもの笑顔で返事をし、体育館のど真ん中ヘと足を進めた。それとほぼ同時に、今人気のアーティストの曲が軽快に流れる。「本川!自分のタイミングでいいからね!」キャプテンが体育館一帯に響く声で言う。そして。彼が踊り出した瞬間。私は頭の中が真っ白になった。
見惚れるほどに可憐な足さばき、曲と絶妙にマッチした表情。滲み出るアーティスト感。
隣にいる新入生たちも息を飲むほどだった。
当の私はというと、完全に本川くんに目をうばわれ、身動きすらとることができない。
ニコニコした愛嬌のある笑顔を振りまいているいつもの姿とはまるで違う彼の姿に、また胸の奥がキュッとなって苦しい。
ーパチパチパチパチパチパチ!
拍手の音に我に帰る。
「ありがとうござっした!」
そう言った彼は、すっかりいつもの"本川 隼"に戻っていて。自分が視線を注がれていることに目もくれず、私の隣ヘと戻ってきた。
その日の部活は、本川くんに目を奪われ、ほとんど集中できなかった。
帰り道。
後ろから小走りでこちらに駆け寄ってくる影。その影は私の隣に並ぶと、肩を並べて歩き出した。
「よ!おつかれ!空愛!」
本当、この笑顔には参る。
「お、おつかれ!本川くん!」
慌てて返事を返す私。そんな私を見て、本川くんはまた笑っている。
「なぁ、あのさ、そろそろ隼でよくね?」
なんだかヘンテコな笑顔で私に問いかける本川くん。顔が熱い。
「いいの?」嬉しさと不安の狭間で問いかけると、「あったりめーだろ!オレは空愛ともっと仲良くなりてぇし、同じクラスだから心強いし…、な?」と、真っ直ぐに私を見つめて言った。その言葉に、自分の中で何かが砕けて。次の瞬間には、勝手に口が動いてた。
「私もだよ!本川くんが…、あ、隼…くんがいると頑張れる!」照れからか口走ってしまった言葉。すると隼くんは二ヒヒと笑って、「あ!今呼んだ!隼って呼んだ!」と俯いた私の顔を下から見ながら、大袈裟に喋る。
…うぅ。本当に恥ずかしいっ!
するとまた隼くんが言った。
「なーに照れてんの!ほら、呼んでよ!ちゃんと"隼"って!」
そういう隼くんは悔しいほどにカッコいい笑顔。 しょうがない。呼んでみよう‼︎ 決心を決め、勇気を振り絞る。
「隼…っ」
私はもう恥ずかしさでいっぱい。
「ほら!できるじゃん!やっと呼んでくれた!」隣では嬉しそうにしている隼の姿。
他愛もない会話をしているうちに、私の家の近くまで来ていた。
「じゃあな!空愛!また明日!」
そう言って笑った隼は、私に手を振った。
「じゃあね!隼!」
まだ呼びなれない名前に、ほのかに胸が締め付けられる。
クルリと背を向けて足早に去っていく隼の姿に、私はまたもや目が離せなかった。
そんな私にまるで合図を送るように、また胸が締め付けられて。
心臓がまた暴れるように音を立てていた。
ドキドキしすぎて心臓が口から出ちゃうよ!
あ。キャプテン!
にしてもウチのキャプテン、かなりの美少女だって言うことは、間違いない。
「はーい!新入生!集合!」
「はーい!」
新入生一同、元気に返事をする。
新入生が尊敬の眼差しでキャプテンを見つめる中、キャプテンは笑顔で口を開いた。
「おー!たくさん集まってくれたね!本川!話は聞いてるから!一発どう?」
キャプテンは本川くんにちらっと視線を送る。 …え?なになに、本川くんって、もしかして…。私がそわそわしているのを見て、フッと笑った本川くんは、「はい!ぜひ!失礼します!」といつもの笑顔で返事をし、体育館のど真ん中ヘと足を進めた。それとほぼ同時に、今人気のアーティストの曲が軽快に流れる。「本川!自分のタイミングでいいからね!」キャプテンが体育館一帯に響く声で言う。そして。彼が踊り出した瞬間。私は頭の中が真っ白になった。
見惚れるほどに可憐な足さばき、曲と絶妙にマッチした表情。滲み出るアーティスト感。
隣にいる新入生たちも息を飲むほどだった。
当の私はというと、完全に本川くんに目をうばわれ、身動きすらとることができない。
ニコニコした愛嬌のある笑顔を振りまいているいつもの姿とはまるで違う彼の姿に、また胸の奥がキュッとなって苦しい。
ーパチパチパチパチパチパチ!
拍手の音に我に帰る。
「ありがとうござっした!」
そう言った彼は、すっかりいつもの"本川 隼"に戻っていて。自分が視線を注がれていることに目もくれず、私の隣ヘと戻ってきた。
その日の部活は、本川くんに目を奪われ、ほとんど集中できなかった。
帰り道。
後ろから小走りでこちらに駆け寄ってくる影。その影は私の隣に並ぶと、肩を並べて歩き出した。
「よ!おつかれ!空愛!」
本当、この笑顔には参る。
「お、おつかれ!本川くん!」
慌てて返事を返す私。そんな私を見て、本川くんはまた笑っている。
「なぁ、あのさ、そろそろ隼でよくね?」
なんだかヘンテコな笑顔で私に問いかける本川くん。顔が熱い。
「いいの?」嬉しさと不安の狭間で問いかけると、「あったりめーだろ!オレは空愛ともっと仲良くなりてぇし、同じクラスだから心強いし…、な?」と、真っ直ぐに私を見つめて言った。その言葉に、自分の中で何かが砕けて。次の瞬間には、勝手に口が動いてた。
「私もだよ!本川くんが…、あ、隼…くんがいると頑張れる!」照れからか口走ってしまった言葉。すると隼くんは二ヒヒと笑って、「あ!今呼んだ!隼って呼んだ!」と俯いた私の顔を下から見ながら、大袈裟に喋る。
…うぅ。本当に恥ずかしいっ!
するとまた隼くんが言った。
「なーに照れてんの!ほら、呼んでよ!ちゃんと"隼"って!」
そういう隼くんは悔しいほどにカッコいい笑顔。 しょうがない。呼んでみよう‼︎ 決心を決め、勇気を振り絞る。
「隼…っ」
私はもう恥ずかしさでいっぱい。
「ほら!できるじゃん!やっと呼んでくれた!」隣では嬉しそうにしている隼の姿。
他愛もない会話をしているうちに、私の家の近くまで来ていた。
「じゃあな!空愛!また明日!」
そう言って笑った隼は、私に手を振った。
「じゃあね!隼!」
まだ呼びなれない名前に、ほのかに胸が締め付けられる。
クルリと背を向けて足早に去っていく隼の姿に、私はまたもや目が離せなかった。
そんな私にまるで合図を送るように、また胸が締め付けられて。
心臓がまた暴れるように音を立てていた。
