私は、家に帰り、部屋でかいくんとメールをしていた。
<かいくん!私今日の放課後、友達と人気のカフェ行くことになったの♡楽しみ~>
<そうなんだー良かったじゃん。甘いの好きなの?>
<うん、大好き!特にイチゴ好きなんだー>
<へぇ。俺はぶどう好きだなぁ>
<そうなんだ!>
その字を打ち終わり、送信ボタンを押す。
すると、玄関からがさがさと音が聞こえた。姉が帰ってきたようだ。
「あ!櫻子ちゃんお帰り~」
靴の紐をほどいている彼女に話しかける。
櫻子ちゃんは私の二人いるうちの一人の姉だ。
櫻子ちゃんはアイドルで、「ちぇりらび」という二人組のグループに所属している。アイドルと言うだけあって、とても可愛い。
「もー!わたしのことは羽咲って呼んでって言ったでしょぉ!」
リボンで結ばれたさらさらのツインテールを揺らしている。でも少し顔色が悪い。
櫻子ちゃんは自分の事を「羽咲」と呼び、他の人にもそれで呼べと言われている。兎が好きらしく、また自分の「櫻子」という名が嫌いなのだそうで、芸名にも「羽咲」を使っているらしかった。
私は櫻子ちゃんに「ちゃん」付けをしているが、これも彼女の指示だ。
「今日、握手会だったでしょ?大丈夫?」
彼女に近寄りそう言うと、大きい瞳をうるうるさせてこちらを見つめてきた。不謹慎だが、泣いていてもかなり、櫻子ちゃんは可愛い。
「うぅ〜…なんかさぁ、わたしのことさり気なくべたべた触ってくる人が来て凄い気持ち悪かったの…」
実は櫻子ちゃんは、アイドルだが男性が超!苦手だ。そのため、握手会などファンと触れ合ったあとは凄く顔色が悪いんだ。
そんな櫻子ちゃんの心を落ち着かせるための作戦がある。
「櫻子ちゃん、ホットミルク飲む?」
「え、飲むぅ………飲むに決まってるでしょぉ…」
「ふふっ、分かった。じゃ作ってくるね」
櫻子ちゃんは、「ホット」な飲み物がとても大好きで、いつも温かい飲み物を飲んでいる。特にホットミルクが好きなんだ。
「はい、作ってきたよ」
「うー、ありがとぅ…。」
ふーふーしないで、ずずっとミルクを飲み「あちちちっ」と舌をひーひーさせる。
この飲み方が櫻子ちゃん流。
二口目を飲んだ櫻子ちゃんは、首を傾げた。
「ん!ね、これ、もしかして・・!」
「ふふ、そう。ハチミツ入れたの。櫻子ちゃん好きでしょ?」
「うん!大好きっ。なんで知ってんの!?」
「この前、櫻子ちゃんがホットレモンにたくさんハチミツ入れててさ、衝撃で覚えてたの」
「きゃー!バレちゃったかぁ」
顔を赤らめて微笑む櫻子ちゃんはやっぱり可愛い。
ツインテールはいつも耳の少し上で結んでいて、そこではリボンが揺れている。
大きな瞳に、鼻筋の通った鼻。桜色でぷるぷるの唇にピンク色の頬。お人形さんのように整っている顔は生まれつきだ。
身長は私よりは高いものの平均的で、細い手足に色白の美肌が映えている。
お姉ちゃんとは思えないその美しい容姿に、私は何故似せなかったのかといつも思う。
「あ、今日麻衣ちゃん帰ってくるみたいだよぉ」
スマホを弄りながら言う櫻子ちゃんの顔色は随分戻ったように感じる。
「本当!久しぶりに会うなぁ〜」
麻衣ちゃんとは、私のもう一人の姉で、櫻子ちゃんと双子だ。
麻衣子と言って、今は結婚して有馬麻衣子。二歳になる子供がいる。光莉ちゃんといい、元気に育っている。
麻衣子姉は、昔から優しく頼もしい人だった。
櫻子ちゃんは幼い頃、問題児でおてんばで、親をも困らせていた。そんな櫻子ちゃんを諦めかけていた親たちだが、麻衣子姉はちゃんと怒り、慰め、櫻子ちゃんをいつも助けていた。
そんな麻衣子姉は、小学校で出会った一人の男の子と高校まで連れ添い、見事結婚。二人の間に生まれたのが、光莉ちゃんだ。
そんな麻衣子姉と会うのは実に一年ぶりだ。
「よぉしっ。今日は腕を奮ってご馳走作んなきゃ!櫻子ちゃん、手伝ってねっ」
「えぇ!?もーしょうがないなぁ。お姉ちゃんの優しさに感謝してよぉ~」
なんだかんだいってやってくれる所が、櫻子ちゃんらしいと言うか、優しさがある。
「うん。ありがとね、櫻子ちゃん」
<かいくん!私今日の放課後、友達と人気のカフェ行くことになったの♡楽しみ~>
<そうなんだー良かったじゃん。甘いの好きなの?>
<うん、大好き!特にイチゴ好きなんだー>
<へぇ。俺はぶどう好きだなぁ>
<そうなんだ!>
その字を打ち終わり、送信ボタンを押す。
すると、玄関からがさがさと音が聞こえた。姉が帰ってきたようだ。
「あ!櫻子ちゃんお帰り~」
靴の紐をほどいている彼女に話しかける。
櫻子ちゃんは私の二人いるうちの一人の姉だ。
櫻子ちゃんはアイドルで、「ちぇりらび」という二人組のグループに所属している。アイドルと言うだけあって、とても可愛い。
「もー!わたしのことは羽咲って呼んでって言ったでしょぉ!」
リボンで結ばれたさらさらのツインテールを揺らしている。でも少し顔色が悪い。
櫻子ちゃんは自分の事を「羽咲」と呼び、他の人にもそれで呼べと言われている。兎が好きらしく、また自分の「櫻子」という名が嫌いなのだそうで、芸名にも「羽咲」を使っているらしかった。
私は櫻子ちゃんに「ちゃん」付けをしているが、これも彼女の指示だ。
「今日、握手会だったでしょ?大丈夫?」
彼女に近寄りそう言うと、大きい瞳をうるうるさせてこちらを見つめてきた。不謹慎だが、泣いていてもかなり、櫻子ちゃんは可愛い。
「うぅ〜…なんかさぁ、わたしのことさり気なくべたべた触ってくる人が来て凄い気持ち悪かったの…」
実は櫻子ちゃんは、アイドルだが男性が超!苦手だ。そのため、握手会などファンと触れ合ったあとは凄く顔色が悪いんだ。
そんな櫻子ちゃんの心を落ち着かせるための作戦がある。
「櫻子ちゃん、ホットミルク飲む?」
「え、飲むぅ………飲むに決まってるでしょぉ…」
「ふふっ、分かった。じゃ作ってくるね」
櫻子ちゃんは、「ホット」な飲み物がとても大好きで、いつも温かい飲み物を飲んでいる。特にホットミルクが好きなんだ。
「はい、作ってきたよ」
「うー、ありがとぅ…。」
ふーふーしないで、ずずっとミルクを飲み「あちちちっ」と舌をひーひーさせる。
この飲み方が櫻子ちゃん流。
二口目を飲んだ櫻子ちゃんは、首を傾げた。
「ん!ね、これ、もしかして・・!」
「ふふ、そう。ハチミツ入れたの。櫻子ちゃん好きでしょ?」
「うん!大好きっ。なんで知ってんの!?」
「この前、櫻子ちゃんがホットレモンにたくさんハチミツ入れててさ、衝撃で覚えてたの」
「きゃー!バレちゃったかぁ」
顔を赤らめて微笑む櫻子ちゃんはやっぱり可愛い。
ツインテールはいつも耳の少し上で結んでいて、そこではリボンが揺れている。
大きな瞳に、鼻筋の通った鼻。桜色でぷるぷるの唇にピンク色の頬。お人形さんのように整っている顔は生まれつきだ。
身長は私よりは高いものの平均的で、細い手足に色白の美肌が映えている。
お姉ちゃんとは思えないその美しい容姿に、私は何故似せなかったのかといつも思う。
「あ、今日麻衣ちゃん帰ってくるみたいだよぉ」
スマホを弄りながら言う櫻子ちゃんの顔色は随分戻ったように感じる。
「本当!久しぶりに会うなぁ〜」
麻衣ちゃんとは、私のもう一人の姉で、櫻子ちゃんと双子だ。
麻衣子と言って、今は結婚して有馬麻衣子。二歳になる子供がいる。光莉ちゃんといい、元気に育っている。
麻衣子姉は、昔から優しく頼もしい人だった。
櫻子ちゃんは幼い頃、問題児でおてんばで、親をも困らせていた。そんな櫻子ちゃんを諦めかけていた親たちだが、麻衣子姉はちゃんと怒り、慰め、櫻子ちゃんをいつも助けていた。
そんな麻衣子姉は、小学校で出会った一人の男の子と高校まで連れ添い、見事結婚。二人の間に生まれたのが、光莉ちゃんだ。
そんな麻衣子姉と会うのは実に一年ぶりだ。
「よぉしっ。今日は腕を奮ってご馳走作んなきゃ!櫻子ちゃん、手伝ってねっ」
「えぇ!?もーしょうがないなぁ。お姉ちゃんの優しさに感謝してよぉ~」
なんだかんだいってやってくれる所が、櫻子ちゃんらしいと言うか、優しさがある。
「うん。ありがとね、櫻子ちゃん」