<名前は秘密。そういうの、気にしないで話したいんだ。俺の正体はのちのち公開ってことで。あと、タメ口でいい。堅いの嫌いで>

<そっか。分かった!じゃあ、私の名前も秘密ってことで。
でも、名前が分からないって不便じゃない?君のこと、なんて呼べばいい?>

<そうだな。…じゃ、かいでいいよ。何故かは秘密。名前のヒントになるかもな>

<かい!?分かった。なら私のことは、りいって呼んで!名前のヒントになるかも!(笑)>




私はぱたんとノートを閉じ、ため息を漏らした。

かいくん…。
名前は分かんなくても、私にはわかる 。

君が、いい人だってことは、字体から口調から、滲み出てるから。




こうして、私と「かい」くんの秘密が始まった。