次の日の日本史の時間、私は席についてぎょっとした。
昨日のコメントが、付け足されていたのだ。
あれっきりで返事は来ないと思っていたから、私は驚いた。
でも少し、話したくて期待も抱いていた。

<コメントありがとう。文系もやっぱつまんないんだなな。眠くならない?>

文末は「?」で終わっていた。
ということは、まだ続けるということ…だよね…?
でも、机の端っこって、他の人にバレないのかな…。見られたらやだし、心配。
とりあえず、コメントを書き始めた。

<眠くなります。時々寝ちゃう(笑)
…ところで、このコメントって誰かに見られないんですか?>

私は心配になりながら、日本史の授業に耳を傾けた。





返事が来たのは、その日の6時限目。
今は世界史で、端っこにコメントと、机の中に小さなノートが入っていた。

<俺も寝る。んで怒られる。
それ思った。だからさ、これからは机の中のノートで話そう。俺、君ともっと話したい>

ノートの表紙には、こんな事が書かれていた。

「秘密共有ノート」

私は少し不思議に思いながら、ページをめくる。

<表紙みた?これからは、これで話そう。あと、この事は俺と君だけの秘密な。改めてこれからよろしく>

その文を見て、私は少し笑ってしまった。
焦っていたのか、なんども消したあとがある。
秘密……か。

なんだか悪い気がしなくて、私は頬が緩んだまま返事を書き込み、机の中へそうっと入れた。
なんだか、これからの学校生活が楽しみになった。





<了解!改めてよろしくお願いします。
P.S. あなたの名前を教えてくれませんか?>