私の高校は、いわゆる進学校というやつで。
「文系コース」か「理系コース」かを選んで、授業を受けることが出来る。
しかしこの高校は、生徒の人数が多いのに対し、学校の敷地面積が狭い。
そのため、文系と理系は様々な教科で教室を言ったり来たりしなくてはならない。
私は文系コースだ。私が今座っている席は、次の時間、理系コースの誰かが使うことになる。
理系コースは男子が大半を占めていて、文系コースは女子が多い。

そんなヘンテコとも言えるこの高校で、私は一年半授業を受けてきたのだが…。

こんな出来事は初めてだ。

机に、落書き(?)があったことなんて、今の今までないから。
しかも、この口調は明らかに男子。
それに、理系コースの人だということは確かだし。

私は色々頭を働かせる。

なんか、少し元気づけられたんだよな、この文を見て。

私は少し考えると、<彼>の文字の下にコメントを書いた。



<頑張れ。私文系コースだけど、こっちも結構日本史とかつまんないです(笑)>

にこりとほほえむと、待ち構えていたかのように授業終了のチャイムがなった。

「次、古文…?」

礼のあと、次の時間が私の苦手な科目でため息が出たが、さっきのコメントを思い浮かべると頬が緩んだ。