病院で、君は笑わなかった。 君の家族は〝生きててよかった〟と安心した微笑みを見せていたのに、君は一切も笑うことは無かった。 怪我も無く、安全だと確認した医師が君を家に帰らせた。 「・・・っふぅ・・・っっ・・・」 君は部屋に閉じこもり、声を押し殺して泣いた。 その手元には、僕のLINE画面。 -今すぐ返信したい。抱き締めてあげたい。 こんなに近くにいるのに、抱き締めてあげる手も温もりもない。