「母さん!俺の車の鍵知らね?!」 大きな声とともに現れたのは、大学に年生である私の兄、村野 啓(ムラノケイ) 「あんたの鍵まで面倒見てないわよ。 ポケットとかに入ってるんじゃないの?」 「そうだ、俺昨日洗濯しかけて洗面所に置いたんだ!」 来たときと同じように騒がしくリビングを出ていった。 どうしてあんなに落ち着きがないのだろう。 兄妹だと思えない。