「あれ?でも、いっちゃんには彼女さんがいたよね?」

「うん。それを見ないフリをしたの。

別れたんだって思うことにしたの。

そのしっぺ返しをこの間くらったの。

私ね、イブの日。

いっちゃんとデートして来たんだ。

いっちゃんから誘ってくれたんだよ。

エスコートしてあげるって、そう言って。

あの日は最高に楽しかった。

ちょっとしたトラブルもあったけど、それを含めて最高な時間だった。

でもね、その幸せは仮初めで。偽物で。

イブが終わる前に儚く消えちゃったんだ」