しばらく、楓摩に抱きついたままジッとしてると、楓摩は、私に優しく声をかけてくれる。

「朱鳥、何回も言うけどさ…………昨日は、本当に…ごめん。…俺、すっごく勘違いしててさ…………。」

そう言って、楓摩は頭を撫でてくれる。

「これで、朱鳥の心に深い傷をつけたなら…………本当に、謝りきれない…。ごめんね……」

そう優しく言ってくれる楓摩に、私は少し強めの力で抱き締め返した。

「……バカ……………………。」

私は、そう一言だけ言うと、また楓摩を抱きしめた。

「ごめんね…………。」

楓摩は、そう言うと、なにか話があるようで、1度、私をベッドに寝かせた。

楓摩になにか言われるんじゃないか…ってドキドキする。

すると、楓摩は、私の目を見て優しく微笑んだ。

「朱鳥、強く問い詰めはしないけどさ…………朱鳥のココに溜まってる気持ち…俺に、教えてくれないかな……?」

そう言って、楓摩は私の胸のあたりをグルッと指で円を描く真似をする。

「朱鳥、優しいから、俺たちに遠慮して、なかなか吐き出せないでしょ?……それで、結構苦しくなっちゃうんだよね……………それならさ、今日くらいは俺に不安とか悩みとかぶつけて?……俺、今日は休み取ったから、ずっと朱鳥の傍に居てあげる。個室だし、誰にも聞かれないしさ…」

ね?

と言うように、楓摩は私の頭をそっと撫でた。

私は、楓摩の顔を見つめてから、小さく頷いた。