「…………朱鳥…」

「ん?なあに?」

俺は、涙を拭って朱鳥ときちんと向き合う。

…大丈夫……まだ、決まった訳じゃないから……

もしかしたら、何かの間違いかもしれないから…

きっと………再発…なんて、間違いだから……

でも……一応…………

「朱鳥、今度さ、一緒に病院行こう?」

そう言うと、朱鳥は少しだけ驚いたような顔をして、それから何かを悟ったような寂しい顔になった。

「…骨髄……検査?」

朱鳥は、恐る恐るそう聞く。

俺は、コクンと頷いてから朱鳥を抱きしめた。

「楓摩、大丈夫だよ。…私なら、大丈夫。私は、お母さんだからさ。……強くあらなきゃ。」

朱鳥は、そう言ったものの、朱鳥の声は微かに震えていた。

俺は、それからしばらく、朱鳥を抱きしめ続けた。