それから数日後

「ただいまー」

「おかえり朱鳥!!ようこそ望笑夏!!」

私たちは無事に退院することが出来た。

望笑夏にとっては初めての我が家。

楓摩、葉月、柚月みんなが歓迎してくれている。

"待ってたよ!"って迎えてくれる。

変だな、葉月、柚月が産まれてから…いや、楓摩と結婚してからずっと家族はいたのに、改めて家族の温かさを感じる。

みんながみんなを大好きで、互いに支えあえる存在。

私にとっては長年経験できなかった温かさだからか、改めて温かさを感じるとなんだか涙が出てくる。

"おかえり" "ただいま"

こんな平凡な挨拶さえ嬉しく感じる。

変なのかな……いや、考えてみたら変なんかじゃない。

誰かに愛されて、必要とされて、嬉しくない人はいないもんね。

「なに、朱鳥泣いてんの?感動しちゃった?」

そう少し茶化し気味に笑ってくる楓摩

それも嬉しくてまた涙が出る。

「え、まじで泣いてんの?……嫌だった…?ごめ__」

「違うの」

「え?」

「……なんか、嬉しくって。…家族ってこんなに温かいんだなって、幸せなんだなって」

そう言うと、楓摩は少しぽかんとしてから、ニカッと笑った。

「そうだよ!!みーんな、朱鳥と望笑夏のこと待ってたんだよ!!朱鳥が入院したら心配だし、こうやって無事に帰ってきてくれたら、みんなめちゃくちゃ嬉しいんだから。ね?」

コクン

「みんな、ありがとう!!」

そう言って、私は涙を拭って笑顔になった。

そしたら、みんな笑ってくれて、家族全員でギュッて抱きしめあった。

なんだな改まった感じが面白くてみんな笑って、でもみんな大好きだよってまた笑顔になった。