次の日

私は、特別に検診を早めてもらって、病院に来ていた。

先生と楓摩は、モニターを見ているけど、私には何が起こっているのかわからなくて、不安が募る。

楓摩の手を少し握ると、楓摩は私を安心させるように頭を撫でてくれた。

けど、すぐ真剣な顔に戻って、モニターを見る。

「朱鳥さん」

「は、はい」

緊張で声が上ずる。

「今日から入院しよう」

詳しいことは、椅子に座って説明するから…と、ジェルを拭かれ、椅子に座る。

楓摩は、私の不安を察知してか、ギュッと手を握ってくれる。

「切迫早産だね…。簡単に言うと、まだ予定日も近くないのに、赤ちゃんが産まれそうになってる。このまま産まれると、赤ちゃんは体が完璧に造られていない状態で出てきちゃうんだ。」

慣れない単語と、自分の身体に起こっていることを少しずつ理解し、頭が真っ白になる。

「これから管理入院をしてもらって、週数が足りるまで子宮が開かないようにする薬の点滴を24時間して、ベッドの上で絶対安静にしてもらうよ。」

「…………そしたら、赤ちゃんは…?」

「週数が足りるまで持っていけたら、安心できる。……けど、その前に産まれちゃったら未熟児。色々な障害が出るかもしれないし、5年後の生存確率もかなり低くなる。……1日でも遅く、お腹の中に赤ちゃんを留めておくのが、第一なんだ。」

何が何だかわからなくて、楓摩の顔を見る。

「朱鳥、大丈夫。きっと、赤ちゃんは無事に産まれてきてくれるから。…不安だと思うけど、入院して、少しでも赤ちゃんが助かるように頑張ろう?」

頭の中はグチャグチャだったけど、私はコクンと頷いた。

赤ちゃんを助けるにはこれしかないから……