少し、休憩を取って、また話し合いを再開するためにおじさんが部屋に入ってくる。

休憩のあいだに楓摩と北斗先生と話して、少しは落ち着けたから大丈夫。

きっと、大丈夫

そう心に言い聞かせる。

「なあ、朱鳥、こっち、見てくれねえか?」

少し体が強ばるけど、楓摩の手をギュッと握って、恐る恐るおじさんの方を見た。









…………………………!!

っ、ダメ……!!

思い出しそうになってしまう嫌な記憶を、精一杯思い出さないようにする。

けど、怯えた表情は顔に出てしまっているようで、おじさんの顔は険しくなっていく。

「…ごめん……なさ「すまなかった」

「え………………」

「すまなかった。俺、こんなにお前が苦しんでるなんて知らなかった。……俺は毎日大変な生活してるのに、笑って帰ってくるお前に当たって、酷いことを沢山した。今も、お前は、毎日楽しくて、辛さなんて知らない生活を送ってるって勝手に思ってた。………………けど、こんなに俺のせいで苦しんできたんだな……。なんだっけ、白血病?とやらも辛い治療をして治したって聞いた。今、入院してるのも、お前が俺の送った手紙でストレスを感じて、体調を崩してんだろ?……本当に…すまない。」

「…………ほんと…?私は、それを信じてもいいの?」

「ああ。俺のことは、許さなくていい。……けど、これだけは信じてくれ。俺はもう、絶対にお前に…いや、朱鳥に、酷いことはしない。だから、怯えないでくれ。俺のせいでずっとずっと朱鳥が苦しんでるなんて、嫌なんだ。……それに、俺も最近夢を見るんだよ。自分に酷いことされる夢。それから、ずっと本当に謝りたかった。ほんとうにすまなかった。」

そう頭を下げたおじさんの姿を私は涙を流しながら眺めた。