「朱鳥ちゃん、最近慣れてきたから、今日は写真を見て、練習してみようか」

……コクン

最近、毎日練習しているおかげか、昔のことを思い浮かべても、怖いのは怖いけど、過呼吸になったり、パニックになることはなくなった。

……でも、写真が…

今まではイメージだったけど、写真をみたら本当に思い出しちゃうかも…………

頷いたけど、やっぱりすこし怖い。

「朱鳥ちゃん、今日はゆっくりやっていくから、とりあえずリラックスしてね。じゃあ、まず1枚目見せるよ。」

そう言って見せられたのは、証明写真のようなおじさんの写真。

それを見た瞬間、胸がドクンっと鳴った。

『ふざけんじゃねぇよ!!!!』

『この出来損ないが!!』

『お前なんか死ねばいいのに!!!』

「っ…………!!」

嫌な汗が流れて、心拍数が高まる。

「朱鳥ちゃん、キツい?」

コクコク

「おっけー。じゃあ、しまうね。大丈夫だよ。朱鳥ちゃんを傷つける人はいないから」

そう言って北斗先生は落ち着くまで、私の背中を撫で続けてくれた。