「やだやだやだやだ!!!!!」

北斗に来てもらって、カウンセリングをしてもらおうとした時……

朱鳥は、北斗を見て顔色を変えた。

「やだっ!!来ないでっ!!!」

そう言って、俺の後ろに隠れてしまう。

昨日の3時頃から一睡もせず泣き続けて、朱鳥はフラフラで辛いはずなのに、ギュッと俺の服を握りしめて立っている。

「朱鳥ちゃん、俺、精神科医の白井北斗です。覚えてるかな?朱鳥ちゃん入院していて、少しの間会ってなかったけどわかる?カウンセリングとかしたの覚えてるかな?」

そう言って、朱鳥の目線まで屈んで、北斗は子供を諭すように言う。

「朱鳥ちゃんが辛そうだから、お話して少しでも楽になってもらいたかったんだけど、どうかな?」

しばらく朱鳥は黙って、俺の顔を見つめてきた。

何も言わず、朱鳥の頭を撫でる。

すると、朱鳥は不安そうな顔をしつつもコクンと頷いた。

「…………北斗…先生……助けて…」

そう言って朱鳥は涙を流した。