楓摩にエコーを撮ろうと言われた。

寝てるだけだから大丈夫って言ってたけど、私は不安でいっぱい。

でも、しないといけないから、楓摩に連れられて、検査室のような所へ来た。

楓摩は、心臓の専門では無いから、心臓に詳しい陽向先生が診てくれることになった。

「朱鳥ちゃん、おはよう」

「…おはようございます……」

「ちょっと緊張してるかな?でも、大丈夫だからね。妊娠してる時の検査でもあったみたいに、ジェル塗って機械を滑らせるだけ。痛くないし、寝てればいいよ。楓摩も一緒にいてくれるだろうしね。」

…コクン

「よし。じゃあ、早速だけど、上の服脱いでもらってもいいかな?俺は見ないように違う方見てるから。脱ぎ終わったら、そこに寝っ転がって、楓摩にシーツかけてもらってね。」

コクン

陽向先生が違う方を向いたのを確認してから、私は、病院着として使っているパジャマのボタンを開けていく。

服を脱いでカゴに入れ、それからベッドに寝ると、楓摩が穴の空いた薄い青のシーツをかけてくれた。

「陽向、もういいよ。」

「おっけー。ありがとう。じゃあ、今からジェル塗るね。ちょっと気持ち悪いかもしれないけど、これは我慢してね。」

生温いジェルを胸に塗られ、それから陽向先生はエコーをとった。

「じゃあ、やっていくね。リラックスしてていいよ。」

楓摩の手を握り、目をつぶる。

沈黙が流れ、私の胸の上をエコーの機械が滑っていく事だけがわかる。

それから、数分して、やっと、エコーの機械がとられた。

「ありがとう。これで検査は終わり。ジェル拭き取るからちょっと待ってね。」

暖かいタオルで、ついていたジェルを拭き取られる。

「よし。いいよ。じゃあ、服着て病室戻っててね。検査結果は後で持っていくね。」

コクン

パジャマの上を着て、ベッドから降りると

グワン

と突然視界が歪んだ。

「朱鳥っ」

倒れる直前で、楓摩に支えられる。

「熱まだあるし、それのせいか、もしくは貧血かな…。まあ、体調が悪いことには変わりないから、早く病室戻ろうか。」

そう言われて、楓摩に抱き上げられて、私は病室に戻った。