そんな気持ちに浸っていると、突然北斗が口を開いた。

「少し……じゃ、困ります。僕らは、あなたが朱鳥ちゃんにしたことにきちんと向き合ってもらいたいんです。」

「……わかってるよ…」

「俺、ずっと聞きたかったんですけど、自分より小さくて弱い子を虐めるのって、どんな気持ちなんですか?ストレス発散って、人が傷つくの見てストレスが発散されるんですか?」

淡々としているものの、怒りのこもった言葉。

北斗がイライラし始めている証拠だ。

「虐めるのが好きとか、そんなんじゃねーよ。……ただ、酒が入るとカッとなって…。あいつ、弱いし、すぐビビって、腹たっちまったんだよ。」

その言葉を聞いて、俺はさっきまで少し信用していた気持ちを全て捨てた。

腹が立ったから?

「…………へえ。」

俺が口を開くと、怪訝そうな目で俺のことを見る。

「……んだよ………………」

「腹たったから?朱鳥、言ってましたよ。ご飯もらえなくて、何度も殴られて蹴られて、酷い時は切りつけられて。……それのどこが腹たったで済まされんだよ。」

心の中にある怒り憎しみその気持ちを全部込めて睨みつけると、相手は少し怯んだように見えた。

「本当の理由は?」

「…………理由なんてねーよ。大した理由なんかねえ。家以外でも腹たったり機嫌悪かった時にそこにいたから。…だから。」

「そこにいたから……?」

再び、さっきよりも大きい怒りがこみ上げる。

けど、ここで怒るのはなんだか無駄な気がした。

こいつに過去のことをいくら説教したって変わらねえ。

……本当にどうすんだ…