「朱鳥っ!!」

ガラッと扉が開いて、焦った楓摩が入ってくる。

私は、意識を失う寸前で、楓摩のおかげで意識を少し取り戻す。

「朱鳥、苦しいね。過呼吸出ちゃったんだね。……大丈夫だよ。体の力抜いて、リラックス。」

背中を一定のリズムで撫でられて、呼吸を促される。

楓摩に言われたリズムで呼吸をしていると、だんだん息がしやすくなってきた。

「よしよし、もう、ほとんど大丈夫だよ。…大丈夫、大丈夫。」

楓摩に涙を拭われて、頭を撫でられる。

「ﾋｯｸ………………ｸﾞｽｯ……」

「大丈夫、大丈夫。もう苦しくないから。」

そう言って、頭を撫でられる度に涙が出てくる。

「泣いたら、苦しくなっちゃうよ……って言いたいけど、泣きたい時に泣いたらいいよ。少し、気持ちもスッキリするだろうしね。よしよし、好きなだけ泣きな。」

私は、抱きしめてくれる楓摩の白衣に顔を埋めた。

楓摩は、しばらく何も言わず、私が泣き止んで、眠りにつくまで、抱きしめ続けてくれた。

楓摩から伝わってくる温かい体温は、とても安心した。