「…………ゃ……やぁっ!!」

朱鳥の叫び声で目を覚ますと、朱鳥はびっしょりと汗をかいて魘されている。

また、悪夢見てるんだな……

このままだと可哀想だから、起こしてあげよ

「朱鳥、朱鳥。大丈夫?」

声をかけ続けると、朱鳥はうっすらと目を開けて、涙を流した。

「…楓摩…………」

そう言って、朱鳥は俺を手をキュッと握る。

「よしよし、怖かったね。」

頭を撫でてあげると、朱鳥は苦しそうな顔をして、それから、急に口に手を当てた。

「どうした?吐く?」

そう聞くと、朱鳥はコクコクと頷く。

俺は、急いで白衣から袋を取り出して、朱鳥に手渡すと、朱鳥は苦しそうに吐き始めた。

背中をさすって、少し様子を見るけど、胃の中の物が無くなって、胃液だけになっても、まだ吐き続ける。

15分ほどして、やっと吐き気が止まったような朱鳥。

だけど、ぐったりして辛そうだ。

「大丈夫?急に吐き気来たの?」

コクン

まだ、聞きたいことはあったけど、辛そうな朱鳥に、それは酷だよね……

俺は、また朱鳥が寝付けるまで、そばで手を握り続けた。