「朱鳥、ご飯できたよ」

肩をポンポンと叩かれて、目を覚ます。

「大丈夫?さっきよりも顔色悪いね…。もう1回熱計ろっか。」

なんだか、楓摩に言われてもハッキリとしなくて、思考がぼんやりする。

「体温計挟むよ」

体温計のひんやりとした感じが伝わってくる。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

「んー、やっぱり短時間だけど、グングン熱上がってきてるね。葉月と柚月は臨時保育園に預けるとして……、それでも朱鳥を一人で家に置いておくのは心配だな…。」

楓摩は、そう言いながら少し考えるように私を見つめる。

「……ご飯食べてから、様子みよっか。あんまり、ご飯も食べれないようだったら、栄養の面でも心配だから、点滴しに行こう。」

そう言うと、楓摩は私を抱っこして食卓椅子まで連れていってくれた。

「食べれる?」

暖かそうなお粥を少しすくって口に入れる。

少し噛んでから、飲み込むと、いつもみたいな気持ち悪さはない。

…なんとか、食べれそう。

「…おいしい」

すると、楓摩はニコッと優しい笑顔を浮かべてくれた。

「ご飯は食べれるみたいだね。よかった。」