猛ダッシュで朱鳥の病室へ向かう。

ガラッ!!

「久翔、朱鳥はっ!?」

病室へ入ると、朱鳥は苦しそうな顔で荒い息をしていて、沢山の機器が朱鳥の体へ繋がっていた。

久翔は、朱鳥のベッドの横で神妙な顔で座っていた。

「楓摩……」

「…久翔…………あ、朱鳥は?」

「見ての通り。……少し意識は混濁してる。治験…待つのもいいけど…………間に合うかは…わからないよ……」

「朱鳥っ………朱鳥……」

俺は、朱鳥の傍へ駆け寄った。

朱鳥の手をギュッと握ると、とても熱い…

「朱鳥……」

無意識に両目からボロボロと涙が零れる。

お願いだから、頑張って……

あと少し…

あと少し頑張れたら、きっと、希望が見えるから……

お願い……お願い…………

頑張れ…頑張れ……

何度も何度もそう願って涙を零した。

久翔は、そんな俺をそっと見守ってくれていた。