真剣な眼差しに俺を見つめる久翔に、俺は涙が出そうになった。

"朱鳥が助かるかもしれない?"

"もう1度、奇跡が起きるかもしれない?"

俺は、もう1度資料を見た。

"諦めなければ可能性は0じゃない"

俺は、それを見た瞬間、コクンと頷いた。

「わかった。……やる。申し込んでみるよ。…ありがとう、久翔」

そう言って、小さく微笑むと、久翔は、俺の頭をポンポンと撫でて、ニッと笑ってくれた。