ハッとして目が覚める。

今のは……夢?

あの神様は…………幻?

「あ、朱鳥。おはよ……って、朱鳥、大丈夫?汗、すごいよ。」

そう言って、手を握ってくれる楓摩。

「どうした?怖い夢でも、見たの?」

……私は、小さくコクンと頷いた。

すると、楓摩は「そっか、そっか。怖かったね…」と言って、優しく頭を撫でてくれた。

「…また、おじさんの夢?」

ウウン

と私は首を横に振る。

「…………神様…」

「神様?」

コクン

「イジワルな神様から、葉月と柚月…守った。」

「え?」

「神様が、2人に不幸を押し付けようとしてたから、私……2人の不幸を自分に擦り付けてもらったの。」

そう言うと、楓摩は、少し驚いたような顔をしてから、少し暗い顔になった。

「……どうしたの?楓摩?」

そう言うと、楓摩はすぐに笑顔を作った。

「ううん。なんでもない。」

「そっか」

私は、そういったものの、本当は少し気になっていた。

楓摩のその顔の意味を知ったのは、その3日後だった。