部屋に戻ると早速持ち出した書物を読む。
まずは麗人の力から。
『麗人は特別な力が使え、その力は人により違う。しかし、先祖と同じ力の者が生まれる場合もあり、その力はランダムだ』
となると、私はお母さんと同じ力を使えるとは限らないってわけか…………。
かろうじて可能性があるのは先祖の力。
きっとそのどれかが私と同じ力に当てはまるかもしれない。
「あとのページはあまり関係じゃなさそう…………次の書物を読もう」
次は歴史について。
最初のページは麗人の歴史について、書かれてあった。
『暦年は不明だが、この世界に月の神が誕生した。その月の神は3人の子宝に恵まれたが、それぞれ違った性質から、大きくなるに連れ、対立することが増えた。母神が死を迎えると、その神は別々に城を構え、国を作った。これによって陰人、麗人、陽人という種族は作られた。陰人は光を嫌い、陽人は日の光を愛し、麗人は月の光を愛した』
元は麗人、陰人、陽人なんて種族は存在せず、月人だけだったんだ。
しかし、生まれた子供がそれぞれ変わった性質をしていた為、対立は生まれた…………。
でも、確かに同じ場所にいるのは辛いよね。
だって、陰人は明るい場所がダメなんだもん。
他の兄弟は光が好き。
そして、その光の兄弟は光でも月と日の光で対立………。
せめて同じ性質で生まれたらこんな争いは起きなかったのにね。