「______…………え?修行ですか」
「あぁ。まだ力は不安定だ。使い物になるかも分からねぇ。だから、そうすることによって確実に発揮させるんだ」
「なるほど…………………蓮はいかがですか?」
「俺は悪くねぇ。透真の話にのった」
「私も別に否定などしません。問題は修行の面倒をみる方ですが______……」
私は正直誰でもいいんだけど、みんな忙しそうだし……幸斗さんも誰にしたらいいのか困ってる。
1人で頑張るって言いたいところだけど、この状況じゃまず何にも分からないし………せめて分かる人が側で教えてくれたらって思う。
「………………………誰もいねぇなら、仕方ない。俺が___………「蓮兄。俺がやってもいいか?」」
透真くん?
「一応、少しの間一緒の空間で過ごしたし、1番教えやすいと思う。それに、どうせなら立派な姫に仕上げるべきだと俺は思う」
……………確かに、まだ知り合って日の浅い蓮さん達より、学校で過ごしてきた透真くんの方が絡みやすいかも!
「俺は別に構わねぇよ。お前がしたいなら、そうしろ。但し妥協は許さない。いいな?」
「分かった」
無事に教える人は透真くんになったようだ。
「じゃあ、俺らは整理したい資料があるから倉庫へ向かう。お前らは修行に取り組め」
蓮さんは冷静で何だか大人って感じ。
リーダーシップ性があり、この人が何かを発すると物事がすんなりと進んでいく。
「じゃあね」
対する幸斗さんはとても朗らかで、優しそうな口調。
この人が微笑めば、悩みごとだって吹き飛んでいきそうな気がする。
「………さて。お前には1週間の間に麗人としての力を発揮して貰う。最初の目標は、この城の復活だ。その後は状態によってカリキュラムを変えていく」
「わかった」
外の空気を吸ってからだいぶ調子が戻ってきた感じがする。
ふらついていた足取りも、しっかりと自分の足で立てれるようになった。
「………まずは体力の向上から始める」
「力を使うとやっぱり体力が消耗するの?」
「当たり前だ。お前は力を使った反動で3日も眠り込んだ。普通はそこまで消耗しないが、お前の場合は体力がないからだ」
わ、私って3日も寝てたの!!?
だから、起きたときに慣れなくてフラフラしたのかな…………?うん、あり得る。
「ここは俺たちの生きやすいように出来ている。その為、力も発揮しやすい」
なるほど…………。
「今から体慣らしにランニングをしてもらう。……………だが、その服装では動きづらいだろう。動きやすい服装を用意させるから、それに着替えろ」
確か私、私服のままだっけ?
でも色々あって汚れたから……………、え!??
ふと服装を確認すると、私が最初着ていた服ではなく、ピンク色のチマチョゴリのような服を着ていた。
「それは最近お土産で頂いた品だ。サイズがピッタリ合うようだから使わせてもらった」
確かにサイズがピッタリで、見たことない不思議な形のデザインがとても可愛い……。



