「怖がらなくてもいいよ。大丈夫×2~」

「あぁ、はいぃ…」

そうして、しばらく歩くと二人は立ち止まった。

「着いたよ」

「でかっ!」
思わず本音が出てしまった。100mぐらいは、ある建造物がそこにあった。

「中は、そうでもないけどね~」
「いやぁ、十分広いと思いますけど…」
玄関口でもかなりの広さはある。200人ぐらいは余裕では入れるスペースだ。

コツ、コツと靴音を立てて二人は歩いた。そして、扉の前で立ち止まった。

「この奥だよ」
ゴクリッ。サイは息を呑む。緊張が一気に高まった。

ギィィィィと、鈍い音を立てて扉を開けると、まばゆい光の先に一人の男が玉座に座っていた。

「こんにちは、サイ君。そしてイーノ君」