「森下くん、起きてる?」



帰りのホームルームの途中、小声で声をかけてみた。


森下くんはむくっとこっちに顔を向ける。


「あの、ちょっと話がしたくて」


「え、何。かしこまって」


「放課後、暇?」


内容は濁した。


聞かれてたら笑えないし。



「いいけど」


森下くんは、まだ怪訝そうにしてる。



「ありがと、後でね」


私は目線を黒板に移して、ホームルームが終わるのを待った。