前髪長いから気づかなかったけど、綺麗な顔してるんだなあ、森下くん。
猫っ毛の髪の毛はすぐにぺたんとするからと、軽くパーマをあててるらしい。
教科書を読む森下くんの横顔をチラ見する。
こんなかっこいいのに、無気力で寝てばっか。もったないないなあ。
読み終わって席に着いた森下くんは、私の方を見る。
私もちょうど見てたから目が合って慌ててそらす。
「めんどいから、起こさないでいいのに」
よほど教科書読むのめんどくさかったんだろう。恨みのこもった視線を感じる…
「だって目立っちゃうもん!視線痛いもん」
早口で言い返す。
