何にも言えないでいる私をよそに、机に教科書を詰めている森下くん。



はあ、緊張する。



あんまり意識したらダメだ!と思えば思うほど不思議な森下くんのことを気にしてしまう。



「いずみ、帰るよー!」


気づけばホームルームも終わって、下校時間だった。



もっちーはもう支度を整えて私の席に肘ついてた。



「あ!ごめんちょっと待って!」


私も急いで支度する。



「そういえば、落書きしたでしょ!机!」


もっちーがケラケラ笑う。



「上出来でしょ」


「なにあれ牛?笑いこらえるの大変だからやめて!」


「違う!キリン!」




牛って。私絵心なさすぎる。