付き合ってるけど如月くんは本気じゃないわけだから、別に他の子といるくらいなんてことないんだろう。



でもさっきまで一緒にいて、いちばん近くにいて、キスをして、手を繋いで。




本気じゃなくても恋人みたいなことをしていた。


少し自惚れていたのかもしれない。




嘘でも彼女でいられる間は、如月くんを独り占めできるって。




如月くんの特別になれるって。

如月くんのいちばんになれるって。


勘違いしてた。



そんなわけないのに……。






「秋人くん……私、どうしたらいいかなぁ……」





如月くんを追って着いたのは屋上。

さすがに中に入るとバレるから、屋上の扉の前の階段に秋人くんと並んで腰かける。