俺もそんな気がする。
琴乃にもっと近づけた。
愛しさが込み上げた。
「また家に呼ぶから」
「うん!」
「続きはまた今度」
「え?」
「ははっ。
それもだけど、最初に家族に紹介しなきゃだな」
恥ずかしそうに俯く琴乃。
いちいちこんなかわいい反応するから困る。
「……いいよ」
「……え?」
「また、今度」
目が合った琴乃は艶っぽくて心臓が止まるかと思った。
雨上がりで町中が洗われたように清々しい。
俺の気持ちは清々しいとは違って、熱く込み上がるものを感じる。
ふたりの関係を変えていくときに、いつだって雨がある。