いまこの瞬間も、どんどん好きが大きくなる。
いつも心臓バクバクだよ。
「あ。そういえばもうすぐ新しいカフェが……」
「琴乃」
私の言葉を遮るように名前を呼ばれて、反射でそちらに顔を向けた。
「え……なん、で……?」
目の前の人物に、足も思考も止まる。
驚きすぎてカスカスの変な声しか出なかった。
でもそんなの気にならない。
気にしてる余裕がないほど、ここにいるはずのない小野寺くんに全ての意識を持って行かれた。
司くんと繋いだ手をぎゅっと握りしめる。
あのときのことを思いだして、胸が苦しくなる。
「どうしてここに?」
私の代わりに司くんが小野寺くんに質問を投げかけた。