「琴乃、帰ろう」


「司くん!
ちょっと待ってね!!」




全ての授業が終わると私の教室まで呼びに来てくれた司くん。


嬉しくて授業の疲れはいいきに吹っ飛んだ。




急いで荷物もまとめて席を立つ。





「奈々ちゃん、また明日!」


「またね」




奈々ちゃんに声をかけてから、前のドアのほうで待っている司くんの元へ行く。



目の前に立つとにこっと微笑まれ、私も返す。





「帰ろっか」




私の言葉になぜか一度、頭を撫でられて髪をくしゃくしゃにされて目を閉じる。