「俺、女だったら絶対に秋人と付き合いたいわ」


「俺はごめんだけどな」




ふたりして吹き出す。


自分の器の小ささに気づかされた。



こんなに余裕なくて視野が狭くなるなんて思わなかった。




いままでロクな恋愛をしてこなかったから困るんだ。


でも、それだけ想える人に出会えたことが、その相手が琴乃だということが、幸せでたまらない。






「琴乃がどうしても俺じゃなく秋人にしか頼れないときがこれからもあると思う。
そのときはよろしくな」


「司、成長したな。
そんなお前なら大丈夫だよ」




にこっと微笑む秋人と拳を合わせる。


やっぱり最高の友達だ。






「仲直りしたのはいいんだけどさ、俺を置いてけぼりにすんなよ」


「あ、いたの?」


「いつから?」


「お前らふざけんなよ!」




康二が拗ねて口を尖らせるけど俺らはそのままいじり倒していた。


こうやって素直に話せばいいんだ。



俺の悪いところなんて、こいつらは知ってて当然。


それくらい一緒にいた。





琴乃も、これからずっと一緒にいたいって思うから。