この恋は、きみの嘘からはじまった。





驚いたように口まで開けていて、そんな司くんの顔を初めて見た。


その顔はだんだんと曇っていく。




私は司くんの顔を見れなくて俯いた。






「お前、ふざけんなよ」




そんな声が耳に届き顔を上げれば、司くんは小野寺くんの胸ぐらを掴んでいた。


いまにも殴りかかりそうな司くんを杉山くんが止める。



小野寺くんはなんの抵抗もしなかった。






「こっちゃん!!」


「しゅう、とく……」


「ごめんね。
極力見ないようにするから」





司くんの後ろにいた秋人くんは、私に気づくなり少しの距離を走って来てくれた。



そして私の外されたボタンを素早く留めてくれる。




自分がどれだけ恥ずかしい格好だったか気づかなかった。



いや、気づいていたけどそこまで頭が回らなかった。





私……。