この恋は、きみの嘘からはじまった。





「琴乃のこと、ずっと諦められなかった」


「……私は諦めたよ。
諦めるしかなかったよ」


「もうその必要はない」


「たとえそうだとしても、もう私は小野寺くんのこと好きじゃない。
私には好きな人が……」


「そんなの聞きたくない」


「え?
ちょっやめ……んっ」






いきなり顔を近づけてきたから、必死に背けようとするも顎を掴まれた手の力が強くて拒否できなかった。


強引に唇を塞がれて後ろに倒れそうになる。



それをフェンスに伸ばしていた手を離して私の後頭部に回し、衝撃を和らげた。



ガシャンと大きな音が響き、私は押し付けられるようにキスをされる。





「ん……いや……っ」



両手で思いっきり肩を押すけどビクともしない。


それどころか、私のリボンを外してシャツのボタンに手をかける。




怖くて嫌で涙が溢れる。




そんな中、唇だけは開かないように必死に口をつぐむ。