腕で顔を隠す秋人くんがやっぱりかわいい。
いつも大人っぽい秋人くんだけど、こんな表情もするんだなぁ。
ふふっと笑みが零れて、秋人くんを見つめる。
「……笑わないで」
「だってかわいくて……」
「こっちゃん!」
「あはは、ごめんって」
いきなり脇腹をこそばされて、笑ってしまう。
秋人くんは誤魔化すようにこそばし続ける。
こしょばいすぎて涙目になってきたとき。
「……もうすぐ開演なのに秋人いないからみんなで探してるのに、なにしてんの?」
「司」
「司くん」
いきなり現れた司くんに、秋人くんと私の声が重なる。
王子様の衣装を身にまとった司くんは、私に伸びている秋人くんの手を掴んで遠ざけた。



