「大丈夫そうに見えないけど?」
そう言いながら秋人くんは私の隣に腰を下ろす。
さっきの光景を見ていたら、さすがに無理してるのは気づくよね。
「言いたくないなら無理に話さなくていいよ。
ひとりになりたいなら俺はもど……」
「ううん、聞いて……」
ひとりじゃ抱えきれない。
どうしたらいいかわからない。
一度浮かせた腰を再び下ろして、私のほうを見る秋人くん。
チラッとだけ見て、膝に口元を埋めて話し始めた。
「さっきの……小野寺くんは中学1年の時、3ヶ月付き合ってた人。
初恋ですごく大好きだったんだけど、ずっと反対されてて別れるしかなかった」
「反対?」
「うん。向こうの親に……」



