「とにかくこの看板だけでも今日中に終わらせるよ」
「そうだね!」
なんだかすべてを知られているのが恥ずかしい。
教室にいたはずの奈々ちゃんが知っているってことは、ここにいる人も知っているかもしれないってことだよね?
あぁ、もう恥ずかしすぎる。
如月くんを前にすると、どうしても他のことが見えなくなってしまう。
1年以上ずっと如月くんのことを想っていたから、まだ付き合ってるってゆうのに慣れない。
他のことはなにも考えないように、無心にして看板の色塗りをしていった。
そして全て終わった時、もう夕方になっていた。
「今日はここまでにしましょう。
あとは、各係ごとに集まって作業を進めといてください。
お疲れ様!」
文化委員の言葉でそれぞれ片付けに入る。
私たちは先に片づけをはじめていたから、お化け屋敷の教室を作っている他の大道具係のところへ行った。



