如月くんと杉山くんの会話、秋人くんの笑い声が遠のいていく。



ずっとおでこを押さえていたけど、すぐに周りからの視線に気づき恥ずかしくなり早歩きで自分の教室に戻った。





「遅い!!」


「ご、ごめんね。
すぐやるから……」


「顔赤い!!」


「……」


「……あんたら、なにしてたの」


「……」


「まぁ、もう噂は回ってきてるんだけど」


「えぇ!?」


「そりゃ廊下で有名なカップルがイチャイチャしてたらね」





奈々ちゃんがニヤニヤしながら私を見てきて、もう爆発するんじゃないかってくらい顔が熱くなった。


如月くんがそれだけ人気者だっていうことが改めて思い知らされる。



それでも私は他の女子から嫌味も言われたりしないから、もしかしたらそれも如月くんのおかげなのかもしれない。



人柄が良いから。




わざわざ自分で掘り起こすことでもないから、聞いたりはしないけど。