あぁ、だめ。


ここは学校なのに、そんなのどうでもよくなってしまう。




もちろん目立つ如月くんだから、いまも誰かに見られてると思う。


でも、それでも如月くんしか見えない。






「ストップ!」


「ったー」



もう完全に如月くんしか見えていなかった私は、その声で現実に引き戻された。



ハッとして如月くんから離れる。


まだバクバクと心臓がうるさい。




頭を押さえる如月くんと冊子のようなものを丸めて手を打っている秋人くん。



その隣にはムスッとしている杉山くんがいた。








「場所考えろ」


「だって……」


「桃瀬ちゃんの顔がめっちゃやばかった。
あんな顔初めて見た、かわいすぎた。
でも、司に対しての表情ってのがむかつく。
でもでも、本当にあれはやばいえr……ってぇな!なんで叩くんだよ」


「考える」