如月くんにすり寄って、顔を上げた。


至近距離で視線が絡みあい、心臓の音がいっきに大きくなる。





「琴乃、かわいすぎ」


「んーん」


「ほら、かわい。
今日一緒に帰ろう。
待ってるから」


「ん」





如月くんの甘い声と表情に溶けてしまいそう。


上手く言葉にできない。



息の仕方さえ忘れてしまったかのようで。







「そんな表情、誰にも見せたくないからいますぐやめて」


「ど、なひょうじょ……」


「えー、教えない」




如月くんがいたずらに笑い、私に顔を近づけてくる。