「如月くん?」
名前を呼べば、急に繋いだ手を引っ張り如月くんの肩に鼻がぶつかる。
そのまま背中に手を回されぎゅっと抱きしめられた。
すぐ近くに人はいないにしても、数メートル先にはたくさん人がいる。
もちろんこちらにも気づいてチラチラと見られているのがわかる。
「きき、如月くん!?」
「充電中」
私の頭に手を回し、何度も髪の毛を梳かれる。
その手つきに人が見ているにも関わらず、如月くんの背中に手を回して抱きしめ返した。
こうやって抱きしめられて、髪に触ってもらえるの、好きだなぁ。
どうしようもなく愛しい気持ちになって、抱きしめる力を強めた。



