「賭けは如月くんの勝ちだよ」


「え?」


「秋人くん、如月くんをお願い。
私もう行きたい」




だんだんと声が震えてくる。


抑えたはずなのにまた出てきそう。





「行って」


「おい、秋人!離せよ!」


「っ……ありがとう」




秋人くんが私と如月くんを離してくれる。


そのまま捕まえていてくれてるおかげで、私は逃げることができた。



再び涙が溢れそうになるけどいまは堪えて、階段を駆け下りる。