「あっきー!おんなじクラスだよ!やったー!」

「ほんとに…!?嘘?嬉しい!…あれ?こうた君は?」

横を見ると落ち込んでいる表情のこうた君がいた。

「違うクラス…。マジかよ…。」

「嘘!?嬉しすぎる!最高のクラス!」

「俺だって嬉しいけど!…でも朝比奈さん…。」

「私!?…でも、一年の辛抱だよ。私も寂しいけど頑張ろ!休み時間必ずそっちのクラスに行くから!」

「…うん!」

(…もしかして…いたりして…)
そう信じて陽の名前を探したけれど、どの姿にも名前は載っていなかった。

「…ま、そりゃそうか。」

「あっきー!行こっ!」

「う、うん!」

入学式が終わり、今教室でホームルームをしている。
軽く自己紹介をしたが、やはり何度祈っても陽くんはいなかった。

「陽…くん…。」

(会いたいよ…たまらなく会いたい…)
私と陽くんが最後にあったのは二年前の春。隣に住んでいたのにある日突然引っ越してしまった。
居場所も聞けないまま。好きだと伝えられないまま。
今もこの恋は続いていて顔も薄れないまま脳裏に焼き付かれていた。
会いたいと思うほど胸が焦げるように痛い。
この気持ちにもっと早く気付いていれば…君に好きだと言えたのかな。

そして放課後。朝行ったメンバーでまた帰ることになった。

「俺のクラス面白くない…。朝比奈さんと同じがよかった…。」

「なんで私?私だって面白くないのに」

少し笑ってしまった。(こうた君ってクールにみえて案外甘えてくる。甘えてくるところ…ゆなにそっくりだな。)

「入学式終わったってなったらすぐ中間だよね…。終わったら夏休み!修旅!!それ考えたらワクワクしてきた!」

「当分先のように見える…。この三人と同じ班ならなぁ…!」

「僕も朝比奈さんと同じがいい!」

「私も!亜紀、絶対なろっ!」

「うんっ!」

この二人がいるだけで苦しさは紛れる。ありがとう…。
陽くん…。

とくん…

恋の音がした。
私精一杯恋してるんだ。