「そこで何やってる…?」





そう。

初めは天使だと思ったんだ。

屋上に天使が舞い降りた、と。



否、そんなわけはない。



眼を凝らすとそれは、雲の切れ目から覗く蒼い空をバックに、フェンスの向こうで宙に脚を投げ出し座る女生徒だった。



4階建ての校舎の屋上は今年2度目の春の嵐が吹き荒ぶ。

一歩間違えば彼女は…





「俺で良けりゃ話聞くからさ、戻ってこいよ。」